恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】

砂川楓side





「…沙和は無事だ。今、俺の友人が沙和を匿ってくれているらしい」

クリニックを閉め、電話を終えて部屋から出てきた隼斗の言葉を聞き、楓は安堵するようにほうっと肩を落とした。

「よかったぁ、ひとまずは安心ね」
「…あぁ」

クリニックで匿うといって昨日隼斗がクリニックに連れてきたばかりの沙和ちゃんが急にいなくなってしまったのはつい今朝の事だ。

実家に帰るという旨の置き手紙が残されていたが、言葉も無しに急に出て行ってしまった状況はあまりに不自然であり、到底信じられるものではなかった。

「つけられていたのか、天津に居場所が割れていたらしくてな。このままここにいすわれば、俺達に危害を加えるとかなんとか、脅しをかけられていたらしい」
「…そうだったの」
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