虹色アゲハ
「ええと、和食がいいですっ。
あとお肉が好きなんで…生姜焼きとか!」
「生姜焼きっ?
はちょっと、嫌な思い出があって…
味噌炒めとかはどうですか?」
「大好きですっ」
そこから嫌いなものをチェックしたり、さんざん話を盛り上げたところで…
「あ、その時は鷹巨さんのお宅にお邪魔してもいいですか?
うちは親が厳しいので…」
1人暮らしなのは調査済みで、それはボタニカルカフェで本人からも聞いていた。
でも鷹巨は、案の定ハッとした顔を覗かせる。
さぁどうする?
今さら断る?
勤務先を晒せるなら、いつでも引っ越せる賃貸マンションを晒すくらい問題ないはずで…
それを断るのなら詐欺目的に違いないと踏んだのだ。
つまりこの男は、岩瀬鷹巨という実在する人物に成りすましてるだけで…
本当の名前も住処も、別にあるんじゃないかと。
そう、あの久保井仁希のようにね…
となれば、どうにかして発信機や盗聴器等を仕掛けなければならなかったが…
鷹巨の返事は「いいですよ」だった。
本人か…
それならそこで決着をつけるまで。
だけど「楽しみにしています」と続けた鷹巨は、どこか悲しそうな顔をしていた。
あとお肉が好きなんで…生姜焼きとか!」
「生姜焼きっ?
はちょっと、嫌な思い出があって…
味噌炒めとかはどうですか?」
「大好きですっ」
そこから嫌いなものをチェックしたり、さんざん話を盛り上げたところで…
「あ、その時は鷹巨さんのお宅にお邪魔してもいいですか?
うちは親が厳しいので…」
1人暮らしなのは調査済みで、それはボタニカルカフェで本人からも聞いていた。
でも鷹巨は、案の定ハッとした顔を覗かせる。
さぁどうする?
今さら断る?
勤務先を晒せるなら、いつでも引っ越せる賃貸マンションを晒すくらい問題ないはずで…
それを断るのなら詐欺目的に違いないと踏んだのだ。
つまりこの男は、岩瀬鷹巨という実在する人物に成りすましてるだけで…
本当の名前も住処も、別にあるんじゃないかと。
そう、あの久保井仁希のようにね…
となれば、どうにかして発信機や盗聴器等を仕掛けなければならなかったが…
鷹巨の返事は「いいですよ」だった。
本人か…
それならそこで決着をつけるまで。
だけど「楽しみにしています」と続けた鷹巨は、どこか悲しそうな顔をしていた。