住所不定、無職。
喘息や心臓病を抱えていたため

祖母の苦労は想像を絶するものだった。


ときに私に当たることもあった

「朱莉ちゃんは産まれてくるところを

間違えたんだよ!」

たまにそう言われることもあった。


3歳頃になると

私は忌み嫌われた存在だと

自覚するようになり

大人が言うように動く

みんなが笑うときに口角を上げる

「ごめんなさい」が常に出せるように…


そんな物心のつき方だった。
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