片思いのあなたに再会してしまいました
4.あなたを忘れようとしました

昨晩帰宅後に飲み過ぎてしまったということもあり翌日の仕事ではイマイチ頭が冴えなかった。
昔の恋愛を引きずって二日酔い気味って社会人としてどうなの私……。
せっかく憧れの部署で働き始めたんだから!
私は頬をパンと叩き自分に喝を入れて目の前の仕事に取り組んだ。

その後はしっかりと集中することができて、仕事もしっかりと1日分終わらせることができた。
残業はなさそうだなと思っていると、ちょうど外回りから帰ってきた片倉さんと遭遇した。

「片倉さん、お疲れ様です。」
「石田さんも、お疲れ。もう仕事終わりそう?すぐに報告終わらせてくるからエントランスのところでちょっと待ってて。」

片倉さんはそう言うと颯爽とオフィスへと走っていった。

あ、そうだった。
恭さんのことですっかり頭がいっぱいになっていて、今日の片倉さんとのご飯忘れてた。
なんて失礼な後輩なんだと自分に喝を入れ直す。
それにしても二日連続の外食………。
自身の体重と肝臓が思いやられた。


片倉さんとやってきたのはカジュアルなイタリアンだった。
仕事の相談とのことだったから、もっと大衆的な居酒屋なんかに行くかと思ってたのに。

「石田さん、何飲む?ここワインも美味しいよ。」
「あ、実はお恥ずかしながら昨日飲み過ぎてしまいまして。そこまでアルコールは飲めなさそうなんですが…。でも気になるので一杯くらいはいただきたいかなぁ。」
「うん、じゃあグラスでもらおうか。この白とか飲み口が良くておすすめだよ。」
「では、そちらを一杯。」

間も無くグラスとお通しの前菜盛り合わせが運ばれてきて、乾杯をした。

「昨日も飲みに行ってたの?連続で誘っちゃて悪かったな。」
「いえ!お気になさらず。実は先日お話ししたエブリデイの担当者の方と。昔の話に花が咲きまして。」

片倉はなんとなく難しそうな顔をしている。
なんか変なこと言ったかな?

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