貴方の彼女になれますか

その、好き、と思った感覚はそれからも続いて、新歓でも同じテーブルに行ってみた。
可愛らしくカシオレ、とかじゃなくてハイボール。
そういうとこも好きだな、って思ったり。

〈佐々木くん?だっけ?ダンスやってたの?〉

1度だけ、自己紹介したことがあった。みんなの前で。
それで名前を覚えてくれていたことだけで舞い上がる。

[はい!ちっちゃい頃から好きで!]
〈はは!いいね。なんか、佐々木くん元気で可愛いね〉

“可愛い”
その一言で悟った。4年の彼女から見たら1年の俺なんか恋愛対象圏外。
それから、その飲み会で気づいた。彼女の彼氏の存在。
同じサークル内に、明らかな距離感の人がいたから。

[この前の、めちゃくちゃ先輩かっこよかったです]
〈えーほんと?嬉しいなあ〉
[めちゃくちゃ好きです!先輩のダンス]

好き、という言葉に、それ以上の気持ちがあることは隠した。
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