俺様専務に目をつけられました。
「三栗さん、中へどうぞ。」

有休を取り、再診察へやって来た。名前を呼ばれ診察台に乗る。一週間前の女医、松下先生が入ってきた。

「三栗さん、力ぬいててね。」

横のモニターに先週と同じような映像が映し出された。少し大きくなってる?

トトトトト凄く早く打つ音

「しっかりと心音も確認できますね。順調ですよ。」

今のが赤ちゃんの心臓の音・・・。
ちゃんとこのお腹の中で生きている・・・。

「先生、産みます!」

思わずそう答えていた。そんな私に先生は優しく答えてくれた。

「三栗さん、私もせっかく宿った命だから産んで欲しいとは思う。でもね出産、育児となると本当に大変なの。相手の方ともよく話し合って、それからでも遅くはないのよ?」

「いえ、この子の父親は・・・。」

何か事情があると察したらしい先生は『じゃあ出産はどこでするか決めないとね。』とこれからどのように動けばいいのか詳しく教えてくれた。

「とりあえず次は五月二日の十時に予約入れとくわね。もし他の病院に移るなら電話をくれればいいから。それより、まだ貧血があるんだから気を付けてね。体調が悪くなるようなら飛び込みで来てくれていいから。これから悪阻も出てくるかもしれないから仕事はムリせずね。」

「はい。ありがとうございます。」

診察、会計を終え心配してるであろう瑠奈へ赤ちゃんは順調に育っている事、産むと決意した事をメッセージで送った。
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