諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
「お前見てたら、やっぱり俺も言いたくなった」

 笑み混じりに言う理人さんに、私は両手両足をばたつかせて暴れる。

「離してください! このままじゃ、幸せすぎて死にます!」

 切実に泣きつくけれど、理人さんは声を立てて笑うだけで腕の力を緩めてはくれなかった。

 長い長い初恋が実って、もうこれ以上望みなんてないと思えるくらい心が幸福感で満たされていた。しかし、恋をして人を愛すると、どんどん欲張りになっていく。

 今度は、理人さんと一生添い遂げたいと願う。

 叶うまで、私は諦めない。どんなことがあっても彼に寄り添い、いつだって真心を尽くすと誓おう。

 十五年前のあの日。理人さんに会えて本当によかった。
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