諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
 理人さんが、誕生日とクリスマス以外に会いに来てくれる。……どうしよう。

 あまりの感激に、スマートフォンを持つ手が震えていた。

「理人さん、ありがとうございます」

『浮かれて寝坊したら帰るからな』

 私が「はい」と返すと、『じゃあな』と電話は切れた。

 ……四十四回目だ。

 スマートフォンを持ったままベッドに倒れた私は、沸き上がる幸福感にベッドの上を転がりまわる。

 今までだって何度も誘ってきたのに、理人さんが了承してくれたのは初めてだ。まだ約束しただけなのに、嬉しすぎて気絶しそう。

 有頂天になる。

「日曜日まで眠れないかもしれない」

 未だにわかに信じられなくて、私は残った着信履歴を何度も確認して夜を過ごした。
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