こんな私でごめんね
「……」

私は、窓から外を見る。綺麗な青空が広がってて、きっと外は温かいんだろうな。

「山本さん。朝食お持ちしました」

そう言って、ギャッジアップした看護師さんは、オーバーテーブルをベッドに入れて、私がご飯を食べる準備をしてくれた。

「……ありがと」

ご飯のふたを開けて、そのふたを持っていこうとする看護師さんに、そう言って微笑む。

私は生まれつき体が弱くて、重い病気を持っていた。最近では、運動制限がかけられて、誰かの付き添いがない限り、病室(個室)から出ることを許されない。

「……」

一人で病院食を食べる。食べ終わった後、テーブルにスケッチブックを広げた。

私の唯一の趣味は、絵を描くこと。もう何冊目になるのか分からないくらい、絵は描いてるよ。

幼馴染みから貰ったシャーペンと消ゴムを取り出して、輪郭を描く。それに十字線を引いて、目や髪を描いて……。

その時、病室のドアが開いて、黒いパーカーを着た異性の幼馴染みが顔を出した。

「……よっ!元気にしてたか?」

「これのどこが元気に見えるの?夕日(ゆうひ)……」

幼馴染みの夕日に、私はそう答える。

「……いやいや、普通に元気そうじゃん……朝香(あさか)」

そう言いながら、近くに置いてある椅子に夕日は座った。
< 1 / 5 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop