嘘恋のち真実愛
甘い声をあげる私の反応を確認しながら、とことん愛する。溶けていく私の体の中に彼が入り、気持ちよく溶け合った。

汗ばむ彼の体に抱きついて、まどろむ。ふわふわとした夢の中にいるような気分だ。

気付けば、外は暗くなっていた。


「ゆりか……このままでいたいけど」

「けど?」

「レストランを予約してあるから、シャワー浴びて行こうか? お腹空いてるよね?」

「お腹……はい、空いています」


シャワーは交代で浴びるものだと思っていたのに、時間がないからと一緒に浴びることになってしまった。

すべてを愛されたばかりの体を見せることに、私が照れると征巳さんまでが恥ずかしそうにする。


「ゆりかが恥ずかしがるから、俺まで恥ずかしくなったじゃないか」

「だって、恥ずかしくなるの当然ですよ」

「ふっ……ゆりかは本当にかわいいな」


服を整えた私に彼は、甘いキスを落とす。熱がまたあがってしまう。


「もう征巳さんったら!」

「かわいい顔を見せるゆりかが悪い」

「えー、どうして私が悪くなるんですかー?」

「俺は、ただゆりかが好きなだけだからね」
< 156 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop