嘘恋のち真実愛
「今日は厳しくして、悪かったな。ゆりかが集中できなかったのは、俺のせいだろ?」

「いえ、私のせいです。どんなことがプライベートであったとしても、仕事に支障をきたさないようにしないといけないのに……」


自分の情けなさを痛感して、またまた気分が落ち込む。どこまで落ちるのだろう。

そんな私の頭に部長が手を置く。もっと下まで落とそうと?

違った……部長の手は優しかった。


「やっぱり俺のせいだよ。ゆりかは真面目だから考えてすぎてしまうとわかっていたのだから、打ち合わせのあとに言うべきだった。ゆりかは全然悪くないからね」


声も優しい。弱っている心に優しさが染み込んでいく。


「ありがとうございます……。でも、部長のせいではないです。やっぱり私が……」

「ストップ。もうこの話は終わりにしよう。それよりも他に話すことがある」

「なんでしょう?」


まだ自分のせいにしようとした私の言葉は遮られた。確かにグダグダと続けても、良いことはない。

気持ちを切り替えるために冷たい水を飲む。
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