ありったけの愛を叫んで

桜の下の ファーストキス

一番うしろ、窓から二番目のこの席は
私のお気に入り




教室の窓から入ってくる暖かい風が髪をさらさらとなでる


すーっと吸い込むと春のにおいがした




校舎のそばには満開の桜


チラチラ、チラチラと ピンク色の雪がふる






新学期が始まり、久々の学校の机で一枚の紙を前に頭をかかえる私

"進路希望調査" 紙に浮かぶそんな文字




隣を見れば グシャグシャに丸まった白いかたまりと、机につっぷす朔夜


前を見れば、ふわふわな茶髪 長身な男子──────悠の背中




3年生に上がり、クラス替えで私と朔夜、悠は同じクラスになる事が出来た


普通、クラス替えした初日の席順は出席番号のはずだけど…




Black Shadow という権力、

朔夜と悠の存在はそれほど大きいらしい


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