へたれアイドル卒業します アミュ恋1曲目
予想もしていなかった。
ピアノの前に、明梨ちゃんが立っているなんて。
驚きが強すぎて、俺は動けない。
俺に気づいた明梨ちゃんと目が合った。
ドクンと胸が波打つ。
時間が止まったかと思った。
俺の心臓までもが、止まったかとさえ。
明梨ちゃんは慌てたように、ピアノの上に楽譜を置くと
「ごめんなさい」
かすれ声を震わせた。
ねえ、教えて?
どんな気持ちで、俺の楽譜を眺めていたの?
泣きはらしたような真っ赤な目で。
辛そうに瞳を揺らして。