俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
『あ、兄貴!ちょっと待って!』
『何も心配するんじゃないよ?申し分ない相手を用意してるから。手取り足取り教えてもらいなよ?』
そう言って、兄貴は笑いながらホテルの一室のドアを開けた。
何でこんなことに…!
入室に躊躇する俺を、兄貴は引っ張って中に招き入れる。
中に入ると…すでに誰かいるようで。
奥のベッドルームから、人の気配や音。
そして…。
『はぁっ…あぁっ…』
女の人の妖艶な喘ぎ声が、耳に入ってきた。
(あ…)
その声を聞いた途端、体がゾクッと反応してしまう。
意識とは、裏腹に。
『おーい、来たよー』
兄貴は、そんな怪しい声が響いていても動じず、この事態があたかも平常であるかのように、平気でそのベッドルームに入っていく。
足を止めていると、『おいで』と招かれてしまう。
しかし、そこは。
衝撃の現場だった。
『あぁんっ…はぁっ、あぁっ!』
広い広いキングサイズのベッドの上では。
その妖艶な喘ぎ声の主である女性が、裸で。
同じく裸の男二人と、激しく絡みあっている姿が。