俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
っていうか、桜谷先生…?

その名前を聞いてドキッとさせられる。

この人は…。



「…伶士」



母さんに、ふと肩を叩かれる。



「何?」

「舞絵さんがいらしてるわ。あなたに会いたいって」

「…えぇっ!」



舞絵…まさかとは思ったが。

桜谷先生と一緒に来たのか!



…舞絵は、北桜学園のプレ入園、親子学級サークル『カトレア会』から中等部までずっと一緒だった幼なじみ。

兄貴に『幼稚園メンバー』と言われている仲間の一人。

そして、今じいちゃんと談笑している桜谷先生の娘。



北桜学園時代の友人が、尋ねてきた。

途端に、危機を察知する。

ましてや、舞絵…!



「…い、今いないって言って!」

「嘘言って逃げるのはよくありませんわよ!伶士!」



背を向けて逃げようとした時には、もう遅く。

ホントすぐ目の前に、彼女がいた。



肩ぐらいの縦巻きパーマヘアを靡かせ。

黒いワンピースの上にビジューのついたニットボレロを羽織り。

ザ・お嬢様。

面白くない表情で、俺を見ている。



紛れもなく、舞絵だ…!


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