そして、次の世界へ。
席についたままじっと
時が過ぎるのを待っていると、
ガラガラとドアが開く音がした。

「おはよー。」

続いて聞こえてきたのは、
私の隣の席の坂井さんの声。

彼女はこちらに歩いてくると
机の前来て私と視線を合わせた。

「篠ちゃん、おはよ!」

私がゆっくりと瞬きをすると
彼女は嬉しそうに微笑む。

1度の瞬きはYes、2度の瞬きはNo
の合図にしようとメールで
相談して決めたんだ。

坂井さんが笑った姿が、
中学生のときに仲の良かった
晴菜と重なる。

(晴菜、私のこと覚えてるのかな...)

私たちはかつては親友で。

私は晴菜のことが他のどんな
クラスメートよりも大好きだった。
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