僕も好きだって言ったら?
僕も好きだって言ったら?
「やっほ、弟君」


僕が暑い中歩いて帰ってきたら、彼女は僕の家のリビングで涼んでいた。


彼女がいることに違和感を覚えなくなってきていて、どれだけ馴染んでいるんだと呆れてしまう。


「ちょっと、挨拶くらいすれば」


実の姉が喧嘩腰に言ってくる。


彼女を客扱いできるかと思うほど、よく来るのだ。
どう挨拶をしろと言うんだ。


「まあまあ。弟君も照れてるんだよね。お姉さんが来て」


姉さんを宥めようとしてくれているのは助かるが、何を言っているんだ、この人は。


彼女は無意味に僕の隣に来た。


「もう、そんなに照れないの」


必要以上に体を密着させ、人差指で僕の頬をつつく。


今のどこで僕が照れていると判断した。
というか、当たっているがわざとか。


本当に、この人が何をしたいのかわからない。


僕はそっと彼女を押す。
そしてこれでもかというほどの作り笑いを浮かべる。


「ゆっくりしていってくださいね」


それ以上関わられても面倒なので、さっさと二階に上がる。


床にカバンを投げ、ベッドに仰向けに寝た。
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