闇の中の太陽
学校に近づくにつれ私への陰口が聞こえた

「見ろよー今日もパーカー着てるぜー」

「本当だ、気持ち悪い〜」

「よく来れるよな。毎日毎日こんなに言われてさー」

「えーだって“男”がいるんだもん。こんな事も忘れさせてくれるお.と.こ.が」

「そーそー、パーカー着てんのもそーゆーことした時につけられたキスマークを隠すためだって聞いたよー」

「なんだよそれー」

「でもさーそんなことしてんだったら俺が誘ったらほいほいついてきてくれんじゃ、ね」

「うわぁーサイテー」

「まーな、笑笑」

………ウッザ。

まあこれも全部私の格好のせいだろう。

夏だと言うのに黒い長袖のパーカーに光に
反射するミルクティー色の髪。足には真っ
黒なタイツ。こんなアンバランスな見た目だ
からだろう

更にあいつらの言ってたことはあながち間
違いじゃない。もちろんエンコーなどはし
てないがそんな感じのやつらとつるんでる

……あの母親のせいでそういう行為が怖く
てできないのに。そんなこと分かってくれ
たのが“アイツら”なのに……

流石にウザくなってあいつらを睨む。

ヒッ、っと言って黙ってくれた。

それでも学校に入るとヒソヒソヒソヒソ、毎
日毎日飽きもせず私への陰口を言っている

ため息をつきながら靴箱に行く。

…そういえば噂が出た最初の頃はまあご丁
寧に私の靴箱にゴミを入れてたっけ。つるんでる男がヤバい奴らってなった時からぱたっとなくなったけ

靴を履き替えながら教室へ行く。その間も
ヒソヒソヒソヒソ陰口を言っている。

ガラッとドアを開けると騒がしかった教室
がシーンっと音がつきそうなほど静かになった
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