転生したら極悪非道な皇帝の妻になるが実は、ただのツンデレでした!?(9/29に修正済み)

 部下の剣を素早く避けるとそのままひじで、相手の背中を思いっきり叩きつけた。
 倒れるとそのまま剣を相手の首近くにつける。
本当の戦なら間違いなく部下は、死んだだろう。
 あの男の鋭い目付きは、部下を睨みつける。

「隙があり過ぎだ。もっと気を引き締めて相手の動きを読むように集中しろ!」

「は、はい。ありがとうございました」

 怖いと思ったが、それ以上に凄いと思った。
あんな隙のない動きに集中力。
 それに剣さばきは、かなりの実力者だろう。
剣道なら三浦君並み……いやそれ以上かもしれない。
 私は、怒っていたことを忘れ感心していた。

そして私も一緒にやりたいと思うように。
 だって、ここに来てからまともに誰かと実戦したことがない。
 私だったら……そう考えたら身体の底から、うずうずして心臓が高鳴りだした。

「あ、あの……私もやりたい」

 堪らなくなり思わず私の口からそう言ってしまった。
すると周りの部下やあの男は、はぁっ?とした表情をされる。
 するとアミーナ達は、慌てだした。

「ちょっとユリア様。そんな危ないですわ!!
いくらなんでも実戦稽古をやりたがるなんて」

「そうですわ。怪我でもなさったら大変です」

 皇后がやりたいと言ってくるので、慌ててやめさせようとするのは、仕方がないことだ。
 だが私は、それでもやりたいと思った。
するとそれを聞いてはぁっ?とさらに言うあの男。

「やめておけ。これは、遊びではないんだぞ。
貴様みたいな女が相手をするほどこっちは、暇じゃない。くだらない」

「そんなの分からないじゃない。
私は、その辺の女性と同じようにしないでちょうだい」

 その言い方にカチンときた。
ちょっと馬鹿にしないでよ!!私は、これでも剣道部の副主将だったのよ。
 その辺の兵士や部下より強いし……。
だが信じてないあの男は、馬鹿にしたように笑う。

「そんなのは見れば分かる」

「あら。私と戦って負けるのが怖いの?皇帝陛下の分際で」

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