転生したら極悪非道な皇帝の妻になるが実は、ただのツンデレでした!?(9/29に修正済み)

 私は、バスタオルを巻き直すとじわりじわりと近づいてみる。
すると思った通り後ろに後退りしていた。

「おい。何故近づいてくる……?」

「あなたこそ。何で後退りするのよ?」

「う、うるさい……そんなの俺の勝手だろ」

 ムキになって言い返してくるが、明らかに動揺しているのが分かる。
 頬も赤く染まっていた。さらに近付こうとした。
だが横っ腹の痛みが走り思わずよろめく。
 すると慌てたように私を支えてきた。
あの男に抱き締められた状態になってしまった。

 お互いに固まってしまった。
自分の心臓の音が聞こえてこないかと心配になる。
 慌てて離れようとするとあの男は、何を思ったか離れようとする私をギュッと抱き締めてきた。

「えっ……ちょっと……」

「……すまない……」

えっ……?
 するとあの男は、私に構わずに唇にキスをしてきた。
思わない言葉とキスに動揺する。
 その謝罪は、キスのことか、また蹴ったことの謝罪の意味かは分からない。

 だが重なる唇は、甘く優しい。
唇を離すとまた重なるようにキスをする。
 今度は、深く求めるように……。

 しばらくキスをしたらあの男は、私を膝の上に座らせ胸を含む。
 お風呂もこの男も嫌なのに……。
そう思うのに抵抗する気力が起きない。

 嫌ならまた平手打ちすればいい……。
嫌だと叫んで……それから……。

「イタタッ……」

「痛むのか?」

「痛いから離して……」

「だったらその首に絡む手を離せ。
それだと俺が動くことも出来んだろーが」

 お互いにあー言えばこう言う。
だが離せとか言いながらもお互いに離そうとしない。
気づけばお互いに重ねていた。

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