一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています

それならば咲綾が俺にあの時の事を言わなかったのは、思い出すのも嫌な事だったのではないか。
急にこみ上げる不安。
やはり俺はただの一夜だけの、通りすがりの男だったか。

その事実に打ちのめされるも、もう一度会えたことがチャンスだと思った。

あのときから気になっていた。そしてまた出会い今度は本当に好きになった。運命すら感じた。

今度は絶対に離さない。


そんな思いで咲綾を甘やかせて、もっと心を開きたくて。
酔って俺の膝で眠ってしまった咲綾に触れたくて仕方なくて、こっそり内緒で頬にキスをした。
それすらドキドキした俺はどうかしている。そう思った。

しかし、いつまでたっても、咲綾から感じる壁のようなもの。
もしかしたら、まだ真由ちゃんの父親に気持ちがあるのではないか?


『まだ気持ちがある?』
そんなことを聞いたときも、運命の出会いだったそんな答えに、嫉妬と苛立ちでどうにかなりそうだった。
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