一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています

「子供のころは従妹だし蓮人さんともよく遊んだんだ。そして俺たちには幼馴染の姉妹がいる。銀行の頭取の娘である母親と、華道の家元という父親、そんな完全にお嬢様育ちの二人。姉の薫子が兄貴の相手で、妹の鏡花が俺の相手。二人は小さいころからそう言い聞かせれていたそうだ。俺達はよく知らなかったし、そんな話冗談だと思っていたからどうでもよかったんだけど」
そこまで言って、真翔さんは言葉を止めて礼華さんを見た。

「更科さんよね?」
「そう。兄貴と礼華ちゃんの結婚を邪魔して、礼華ちゃんが身を引く原因を作った人」
礼華さんから悠人さんに婚約者がいたと聞いたことを思い出す。

「それがどうして蓮人さんに関係するの?」
礼華さんのもっともな質問に、今度は悠人さんが答えた。
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