一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
時刻も16時を回り、真翔さんの会議は長引いているようだった。
このところ、連日会議が続き、私もその資料作りに追われているところに内線がなる。

『あの……』
前にもあった歯切れの悪い受付の女の子の声に、私は嫌な予感がよぎる。
真翔さんを呼ぶ?でも……。

そんな事を思っていると、意外な言葉が聞こえた。
『更科鏡花様がお見えです』
「え?」
蓮人さんではなく、訪ねてきたのがあの鏡花さんだと分かり、私は小さく息を吐いた。

『会議で不在とお伝えしたのですが、お待ちになりたいと……』
「わかりました」
相手があの鏡花さんだと分かれば、むげにすることはできない。
そう思い、私はお迎えをするために立ち上がった。

5分ほどして現れた鏡花さんは、イメージと違いとても大人しそうな人だった。

「いきなり申し訳ありません」
深々と頭を下げられ、私も慌てて挨拶をする。

「専務の大村の秘書の松永です。会議がおわるまでこちらでお待ち下さい」
その言葉に、鏡花さんはまた小さく会釈するとソファへと腰を掛けた。
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