セレナーデ ~智之
16年振りに 会った麻有子。
仕事の話しをする 落ち着いた声。
当然 記憶の中よりも 大人の声で。
でも 説明の途中 確認するように
智之達を見る首の角度、傾げ方は 昔のままだった。
智之の胸に 切なさが溢れる。
話し方 目の配り方は 麻有子が 有能であることを 表している。
再会の驚きを隠して 一生懸命 説明をする。
今 この場所にいる為に 麻有子は どれ程の努力をしたのだろう。
この16年の麻有子に 思いを馳せた時
智之は 麻有子を 離したくないと思った。