セレナーデ ~智之

「わあ。小さい。可愛い。」

バスタオルに 包まれた赤ちゃんは 想像以上に軽く 頼りない。


でも 顔を真っ赤にして 泣き続ける姿は 命そのものだった。
 

「よしよし。泣かないで。」

優しく声をかけて 顔を寄せる。


溢れる愛おしさは お腹にいた時とは 比べものにならない。
 

「可愛いな。」


赤ちゃんは 泣きながら目を開く。


黒目勝ちな 大きな目は 見えているかのように 智之を見る。
 


「美人になりますよ。目が大きくて 鼻が高いから。」



看護師に言われて 智之は 大きく頷いてしまう。
 



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