余命2ヶ月の少女は総長と恋に落ちる


「透花、ごめんな。物騒な絵面見せて。
暴走族の姫になるんだったら喧嘩見せとこうと思って」

…あぁなるほど。

「あの強いほう、蓮華?」

「あぁそうだ。気分悪りぃだろ?帰るか」


別に気分は悪くないけど、お腹が空いたし
帰りたい。

死ぬとしても、今は人間なのだ。

お腹は空くし眠たくもなる。



「帰る」


なんだか、無償に敬意が溢れてきて
家に帰った後あの3人にご飯を作った。

3人がいる幹部室に入った。


「から揚げ作ったんですけど、入りませんか」

「透花作ってくれたの?ありがと!」
絢兎がかわいらしく言う。


3人は、しっかり食べてくれて久しぶりに嬉しかった。


「透花食べねーの?」

「食べない」

さっきご飯とから揚げ3つ食べたし

「食べねえから細いんだよ、食え。
こっちきて」

蒼野がわたしを呼んだ。

隣に腰を下ろそうとすると、下ろそうとした瞬間に蒼野がわたしを引き寄せたせいで
蒼野のひざの上に座ってしまった。


「かっる。はいあーん」

意地でも食べさせる気だこいつは。


「見せつけんなよ健斗」


無理矢理に食べさせられる。


「なんだお前、人並みに顔赤くなるんじゃん」

絢兎にそう言われて、頬を触ると確かに熱かった。

わたしに赤なんて似合わない。


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