余命2ヶ月の少女は総長と恋に落ちる


七瀬透花 (ななせ とうか)

これがわたしの名前。


…全く、あっていないと思う。


七なんて、縁起の良い数字を入れられちゃ困る。

両親は中学生のときに他界、
高校には行っていない。

行っているとしたら高2だろう。


ちなみに言っておくと、4月1日生まれだから
17歳。

そして今日が4月1日。

誕生日に余命宣告とは、一般的に見たら
"可哀想"だろう。 


だけどわたしにとっては最高のプレゼント。


6月1日あたりに死ぬ。

わかりやすくて良い。



透花なんて名前もあっていない。

透は消えるという意味ではあっているけど、
どうせつけるなら透花じゃなく透化だろう。



家族もいないし、高校にも行っていないから
生きる意味もない。

家族の残した多額の財産だけを頼りに、
ここらの安いホテルと点々としている。


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