余命2ヶ月の少女は総長と恋に落ちる
1人でご飯を食べ、大量の薬を飲んで、
色々考えた。
こんなにも良くしてもらってるのに、わたしはどうせ死ぬんだなぁとか。
…なんでわたしはこんなこと考えているんだろう。わたしは死にたいはずなのに。
「…っあ」
不意に、心臓が痛んで息がしづらくなった。
痛みは少しの時間だけだけど、
やはり刻々と死は近づいているようだ。
もう、寝よう。
そう思ったとき、丁度幹部室のドアが開いた。
「ただいま透花」
この人は、ずるいほどに優しい。
「蒼野…」
何度も言うけど、どんなときでも帰ってくる。
そして、ご飯を食べてシャワーを浴び歯磨きをしてわたしを抱きしめて、キスを落とす。
蒼野は、決してわたしを置いて行かない。
わたしが起きるまで、わたしを抱きしめてくれる。
「おはよう透花」
そう言ってキスを落とす。
「雀瓦に勝った?」
「よゆー」
蒼野は、優しくて強い。
でもわたしは、臆病で弱い。