余命2ヶ月の少女は総長と恋に落ちる
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ばさっと布団を巡って、起き上がる。
「う、あ…はぁっ、はぁ、」
苦しい、息ができない。
「あ、おの…?蒼野、蒼野っ…?!」
蒼野が、わたしの隣に居なかった。
やめて、居なくならないでっ…!
息がしにくいなか、部屋を飛び出した。
部屋に飛び込んで酸素吸入器を取った。
そして走った、幹部室に。
「蒼野…蒼野っ!」
「透花…?」
いた、蒼野もみんないた。
泣き崩れた。
その場で泣き崩れて、膝をついた。
ヒューヒューと、喉がなって
嗚咽と混じった。
「あ、おのっ、蒼野…っ」
苦しくて、嬉しくて、悲しくて、怖くて。
息ができなくて。
口に酸素吸入器を押しつけた。
「はぁっ、はぁ」
「透花、どうしたっ…?!」
蒼野はわたしを抱きしめてくれて、
新さんと絢兎も近くにきてくれた。
刻々と、迫り食うる死なんて
気づいているはずなのに。
…わたしは、蒼野を好きになってしまっていた。
蒼野がそばにいないだけで
おかしくなってしまうほどに。
あぁ、最悪だ。
生きたいと、思ってしまう。
一緒に未来を過ごしたいと思ってしまう。
本当に馬鹿だ。