余命2ヶ月の少女は総長と恋に落ちる
丈夫そうな木にロープをくくりつけて、
キャリーケースの上に乗る。
お母さん、お父さん、
今からそっちに行くからね…?
輪っかを手に取ってそっと首を入れた。
一歩踏み出せば死ねる。
そっと一歩を踏み出した。
あぁ、痛い。
あと、もう少し…。
のはずだったのに。
何故か、わたしは男に抱き抱えられて地面に押さえ込まれている。
…はぁ?!
…なんで、なんでっ…!
やっと死ねると思ったのに…!
「っやめて、離して…っ!」
「何やってんだよお前…!バカじゃねえの?!」
うるさい。
「うるさい!!離して…っ、早く死なせてよ…早く…っ!」
「んな簡単に死ぬな!」
「うるさい、うるさい…
あとちょっと、あとちょっとで今死ねたのに!!!」
あ、やばいかも。
大声出したせいでクラクラする。
それを見計ったのか、その男は
「…お前、ちょっとこいよ」
と言ってわたしをおぶった。