愛は惜しみなく与う⑤
観念したのか泣きつくような声を出した


「杏ちゃんって敵じゃなくて良かったって、たまに本気で思うよ」

「心強いやろ?」

「う、うん」


慧が笑ってる。いや、あたしもまさか、本気で蹴飛ばそうなんてな?思ってないよ。
無抵抗の人に、そんなんせんよ、うん。


脅したら喋りそうやなって思っただけ!


「黒蛇の新しい倉庫で…全員集めて待ってます。烈火よりも倍くらいの人数を集めて…」


隣で慧が、黒蛇の新しい倉庫?と首を傾げた。それにしても倍か


倍なら、なんとかなるか
あたしや、泉達で1人10人請け負えば、下の子らは一対一で出来るよな


「黒蛇の倉庫の場所変わったの知らないんだけど」

「……」

「黙ってんと答えや?あたし短気やし、手すぐ出るねん」


ひぃぃ


化け物でもみたのかって反応をする。
誰が化け物や!!

情けない声とともに少し後ずさった男


あれ?あたしってそんな怖い?
可愛らしい感じしてると思うのになぁ



「今日、今日の昼に倉庫移動したんです。お願いだから殴らないで」

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