愛は惜しみなく与う⑤
克服しなくてもいいし、無理もすることもない。
でも自分のしたい事や、守りたいものが見つかれば、全力でやれ。

泉はそう言ってくれたから


上手くできるかわからないけど、バイトから始めてみようと思う


杏が帰ってくるのはいつか分からないから、その間の時間も無駄にしちゃダメだよね


杏が実家に帰ってしまった次の日
ずっといいなと思っていた店に面接に行った。はじめてのバイト



『君が電話くれた子だね』


緊張する。でもこの店にはよく食べに来てるんだ。覚えてくれていたのか、そこの店長さんは、俺の顔を見て、あっと声を出した


この店は杏の働くマドリカの近くにあるイタリアンレストラン。
美味しいのに安くて、俺はここの味が大好きだ。

料理をするようになって更に好きになった



『君、よく食べにくる子だね』

「はい。ここの味が大好きで、こんな料理作れたらなって思って…」

『あ、接客じゃなくて、厨房希望?』

「はい。俺…ちょっと人と接するのが苦手で…接客は…」

『そうかな?今すごく好印象だけどね?顔もかっこいいし、できれば接客してほしいけど』
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