愛は惜しみなく与う⑤
だけどね

杏ちゃんに出会って分かったんだ

本当に見返りなんて求めずに、誰かに手を差し伸ばせる人がいるんだって。

それが男女でも成り立つんだって


初めて知った

だからかな

桜さんと切れなかったんだ。杏ちゃんのおかげで、桜さんの存在が大きくなった。
その優しさにまだ触れていたくなった。
気持ちには答えないくせに

桜さんの気持ちを弄んでいるのも分かってるのに。やめられない。離れられない


こう言う時に、やっぱり俺は、人を愛せないんだって思うんだ


なのにさ


「家、あがっていい?」


俺がそう聞いたら、未だに嬉しそうに笑ってくれるんだ。
こんな俺の一言で笑顔になってくれる


決して自分からは言わない桜さん

全部俺から

いさぎ良すぎるくらい、都合のいい女に自らなる桜さん


どうして全部受け止めてくれるんだろう
かれこれもう

桜さんに出会って4年くらい経つのかな。
今ではもう、女子大生の桜さん。


出会った時、声をかこてきたのは桜さん。突然一言『抱いてください』そう言った


とんだビッチがきたよ。最初はそう思った。なのに桜さんを知るほどに、どうしてあんな事を言ったのか分からなくなる
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