へたくそなキスのままがいい
どうしてくれんのよ〜……。
はぁ、とがっくり項垂れて、とりあえず絆創膏を貼ってなんとか隠した。
「あ、戻ってきた戻ってきた。紗和ちゃーん」
「ユウくん、まだいたの」
「うわ、ひっでー。いまさっき来たばっかなのに」
「あはは、冗談冗談」
ホールに戻ってきて早々、窓側の座席に座っていたユウくんに注文をとりにきた。
ここが彼の特等席。
よく店内を見渡せるこの場所が好きなんだそうだ。
「あれ?」と、不意にユウくんが私の首元を見た気がして、ドキリとする。