へたくそなキスのままがいい
「紗和」
「……もう〜〜、初日からなんなの」
後片付けも終わりロッカーから荷物を持って裏口へ向かおうとすると、そこにはまだ帰っていない廉がいた。
いつもと違う疲労でヘロヘロになった私は、廉の顔を見るなりついそんな本音が溢れてしまう。
そうだよ、まだ今日が初日なのに。
なんだかすごく濃いバイトの時間だった気がする。
「なんなの、って、それはこっちのセリフなんだけど」
「はぁ?」
それなのに、なぜか廉の方が不機嫌そうな表情を浮かべているから謎だ。