へたくそなキスのままがいい
「なに、ドキドキしてんの?紗和」
「な……っ」
「さっきとろけた顔してたもんね?」
クスッと笑う声が耳元で聞こえて、ゾクっとした。
れ、廉相手になにドキドキしてるんだか。
3年前までは、もっと背も低くて素直で可愛くて……。
────『紗和ちゃん、好きだよ』
「………」
「紗和?」
「……まるで別人じゃない」
不意にあの頃のことを思い出して、唇をキュッと噤んだ。
こんなスキンシップとか、言葉遣いとか、するタイプじゃなかったくせに。