2度目の人生で世界を救おうとする話。前編
「兄さん何しでかすかわからないでしょ。僕がいつでもフォローできるようにしとかないと」
私のリアクションを見て「自覚ないの?」と呆れたように朱がため息をつく。
これではどちらが年上なのかわからない。
「朱は心配しすぎ。大丈夫だよ」
「兄さんの大丈夫は信用ならない」
そんな朱にへらっと笑って見せると朱も私に笑顔を向けた。ただし目が笑っていない。
私、朱にこんな顔されるほど迷惑かけたかな?
それにしても朱の実行委員参加の理由がまさか私だとは思わなかった。
明日は朱が実行委員を務める実戦大会。
前回の実戦大会では朱が心配するようなことは特には起こらず、麟太朗様の要望通りに私と武の実力を十分に見せつけて終わったはず。
今回も朱に心配かけさせず、穏便に実戦大会を終わらせよう。