アテナ・イェーガー〜不穏、のちにキス〜
婦人の言葉にロネの心臓がドクンと音を立てる。アテナを知る人物がいたのだ。ロネの体が小刻みに震えた。

「やはりな……」

アテナはフッと笑う。それは悲しげな笑みだった。そして、ロネを見つめて言う。

「私とはもう会うな。お前まで周囲から蔑まれる。……今まで楽しかったぞ」

「アテナ?待ってよ!!」

ロネは止めるが、アテナはロネに微笑みかけ背を向ける。そして走り去っていった。

夕焼けが沈んでいく中、ロネはアテナを追う。しかし、その姿はすぐに見えなくなってしまった。





< 8 / 12 >

この作品をシェア

pagetop