〜トラブル〜 黒のムグンファ・声を取り戻す旅

 トラブルはとっくに食事を終えてホテルのデスクの前にいた。

 台湾のスタッフマネージャーと支配人が頭を下げている。

「この度のコンサートで海外からのお客様も多く、現在、満室でございまして。近隣のホテルも当たりますので、お時間頂けないでしょうか? とりあえず、お荷物は今のお部屋に置いておいて頂いて」

 トラブルは、しょうがないと立ち上がり、自分のアドレスを置いて行った。

 荷物を部屋へ戻し、ソンと合流してコンサート会場へ向かう。



 昼の便でパク・ユンホも台湾入りをした。

 コンサート会場でトラブルと合流する。

 トラブルは手話でパクに矢継ぎ早に質問する。

今朝の血糖値は?
インスリンは何単位打ちましたか?
血圧は測ってますか? 体調に変化は?
お酒は飲んでいませんね?

 パクは「はい、はい、はいはい」と、適当に返事をした後「君は随分と機嫌が良いね」と聞く。

 トラブルは、寝不足でハイになっているだけですと、答えて立ち去った。

 アシスタントのキム・ミンジュが驚いた顔をする。

「トラブルが返事をするなんて、どうしたんでしょうね?」
「機嫌が良いのだろうよ」と、パクは笑う。


 テオはトラブルの荷物が部屋にあり、少しホッとする。

(そんなに、嫌われてないのかも)

 椅子に掛けてあるトラブルのパーカーをハンガーに掛け、クローゼットにしまう。

 自分の荷物を開けて整理をして、ひと眠りした。

  

 マネージャーの電話で起こされてシャワーを浴び、メンバー達とランチを取る。

 移動車で会場へ向かう。
 
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