クローバー2~愛情~
奈津美と陽平、LAへ~幸せな未来に向けて
6月5日、成田空港。

美穂と和希は2人の見送りに来ていた。

「美穂ちゃん、CLOVER、預けたわよ」

まっすぐに美穂を見つめて言う奈津美。

「任せてください。この3週間で、店長業はほぼ、ほぼ、マスターしましたが、分からないことがあったら、メッセージします」

「美穂ちゃんなら、大丈夫よ。自信をもって」

「はい、ありがとうございます」

「奈津美さん、陽平さん、お元気で。素敵な結婚生活を」

和希が言った。

「結婚式の写真、送るよ。日本でできなかったのが、残念だけど」

「急でしたもんね」

~United Airlines, LA行きのお客さまは・・・

アナウンスがあった。

「じゃ、そろそろ」

と陽平。

手を振る美穂と和希。2人が遠くに消えていく・・・。


「行っちゃった、ね」

「美穂も、頑張りどころだな。僕にできることがあったら、何でも言ってくれな?」

「そこにいてくれるだけで十分」

と言って、和希に抱きついた美穂。他人からは、別れを惜しむカップルに見えたかもしれない、が肩を並べて歩き出す。

「カズキくん、私たち、あの日誓い合った約束、守って。ずっとずっと一緒にいられるよね
?離れないでね・・・離れないから・・・愛してる・・・」

美穂がつぶやくように言った。和希は立ち止まって。美穂を思いっきり強く抱きしめ、熱い、熱い、キスをした。ギャラリーなんて、関係ない。ここには、2人しかいない。

「美穂こそ、僕の手、離すなよ?どんな障害があっても、どんなきついことがこれからあっても。ずっと、ずっと、一緒だ。美穂、愛してる・・・心から」

カズキくん
今までいろいろあったけど
これからもっといろいろあるよね
結婚に向かって進んでいくんだもんね
あなたの故郷はどんなところだろう
かなりドキドキしてる
夏になったらお義母さん、お義父さんに会えるね
気に入ってもらえるかな・
かなぁり、ドキドキです。
どんな時も私の隣にいてね
それだけで私は安心するから

「今日は、外食しよっか。そのあと、美穂をいただきます~」

和希がいたずらっぽく言った。和希のそういう台詞にはいつになっても慣れない美穂。もうっ、もうっ、もうっ、真っ赤になってるのが恥ずかしいっ。

「こほん。とりあえず、夕食は何を食べましょうか?」

動揺を隠すように、ささやく美穂だった。

*THE END*
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