*伝説と言われたあの子*






結局、あまりの視線の多さにお兄が『これ着とけ』って、言いながら渡してくれた上着を着て、

フードで髪を隠し、2階にあるお菓子屋さんで職場のお菓子を購入し、



逃げるようにして帰路へついた。

そう、

だから、



『あの紫の髪の奴、どこいった!?』

私を探す、ガタイのいい男たちも、

『探せっ』

髪を派手に染め、辺りを見渡している不良たちにも、

『誰か写真撮ったか!?』

何人もが携帯を片手に、どこかへ連絡していた事も。


私には知るはずも無く、

ただ確実に何かが動き出した、

そんな一日。






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