【修正版】クールで無表情な同期が十年間恋情を患っていた理由

その後、少しだけ夜風を浴びて、彼女を家の近くまで送り届けた。

「ありがとう、富丘くん。それと、助かった」

申し訳なさそうに笑う彼女は、そう告げて涙の余韻を感じさせず、夜の闇に消えていく。

強いけど……いつかその強さが壊れてしまわないか、僕は心配だった。

「また明日……」

誰もいない車内に僕の声は落ち、引き止めようとしていた僕の手は宙を舞って、ハンドルへと戻った。
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