【修正版】クールで無表情な同期が十年間恋情を患っていた理由
「――何してるの?」
あまり刺激しないよう、僕は静かにフェンスの向こう側の……今にも飛び降りそうな彼女に声かけた。
動きを止めて、色の無い瞳が虚ろに僕を映す。
あんなにキラキラしてた表情はそこには無い。
「……富丘くん……なんでここに」
その冷たい口調は、急に現れた僕に驚きながらも拒絶の意が強くにじみ出ている。
「死ぬつもり?」
「……そうだって言ったら、なに?」
怖くて震えそうになった。