砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
それは、アムジャドの国だった。

「ああ……」

もしかして、アムジャドに会えるかもしれない。

私はそのまま引かれるように、留学の問い合わせ先に、足を運んだ。


「チラシを見て?」

「はい。まだ決まっていないのなら、行かせて貰えないでしょうか。」

「君、何年生?」

「3年生です。」

「3年生ね……」

すると担当の人は、難しい顔をした。

「留学って言っても、もっと経験がある人でないとね。」

私は焦った。

これじゃあ、アムジャドと会えない。

「大丈夫です。」

「行くところは、医療の発達してない地域なのね。学生が行くところじゃないの。」

「それでも私、行きます!」

「あのね。人の話聞いてる?」

担当の人も呆れている。

「私、どうしても行きたいんです。」
< 102 / 311 >

この作品をシェア

pagetop