砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
村の子供達
「胸が痛いの?」

「うん。」

「右左、どちら側かな。」

「左側。」

「他にドキドキしたり、息が切れたりする?」

「うん。」

「ちょっと胸の音を聞かせてね。」

私は聴診器を女の子の胸に当てた。

すると、心臓の辺りから雑音が聞こえた。

「これは……」

「その子は心臓弁膜症だ。」

振り返ると、土井先生がいた。

「だったら、ジアーに行って検査と手術を。」

「何を馬鹿な。」

土井先生は、次の患者さんを診る為に、診療所の中に入った。

「土井先生!」

私は先生の後を追いかけた。

「検査と手術を受けるのは、馬鹿な事なんですか?」

「ああ馬鹿だな。それだけでいくら金がかかると思う。」

私にとっては、衝撃的な言葉だった。

「……お金が無くて、検査も手術も受けられないって事ですか。」
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