不細工芸人と言われても
押し倒す、押し倒さないしか頭になかったくせに、カホとすっかりいろんなことを話しこむ。

俺の売れなかった時の生活、急に運が向いてきた時のエピソード。
カホは、楽しそうに時にはめっちゃウケて大笑いしてくれたり。
俺のことばっか話してるけど、俺はカホのことをもっと知りたい。

ふと気が付くと、カホはワインに少し酔ってこっくりこっくりとし始める。
本当だったら、これもシナリオ通り。
このままベットまで連れて行くのもよし、もうここでしてしまうのも良し。

そして、カホはすっかり気持ちよくなってすーすーと寝息をたてて、俺の肩に寄りかかる。

「・・・・・・・・・。」

初めて見る寝顔。 すっかり信頼しきって穏やかに眠るカホの顔を見たら、もう俺は、白天使にひれ伏すしかない。
カホをそのままソファに寝かせ、そっと毛布をかけてやる。

仕事で疲れてんだろうな。
寝顔を眺めるくらい許されるよな。

いい人かよ!
大きくため息をついて、俺は残ったワインを煽る。

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