最後の手紙
 私は隆一朗のなんでもない顔を見つめたまま、いろいろなことの意味がわからなくなっていた。

私の右手の指で挟まれているその手紙、は、私が葉月に届ける手紙で、最後のって?


 耳どころか五感を疑う。

万が一そういうことがあったとするのなら、こんな隆一朗を、私が見るはずはないからだ。

 そんなバカな。そんなはずは。



――ない。絶対に。


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