最後の手紙
 大して芝居がかった風でもなく、隆一朗は息をついた。

空気だけじゃなくて、詰まり放題の何かを吐き出すみたいな重さ。


「別離のディナーも何も。オレ、葉月ちゃんにはもう二ヶ月も会ってないんだよね。ちゃんと言うと、話をさせてもらえないってなるけど」

「二ヶ月?!」

「え、何それ。おまえら、終わってんの?!」

「そうじゃないけど」

「だって二ヶ月も会ってなくて、それで続いてるって言うか?!」

「声がおっきくてうるさい上に、非常に失礼だ、小林。それでもオレたちは、あ、もう行かないと」
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