君の好きな人が私だったらいいのにな。

いつも一緒の5人組

-新学期-


「それじゃ、行ってきまーす。」


まだ夏の暑さが残る9月上旬。

いつものように玄関を出ると

私を待っていたかのように、よう、と侑が手をあげた。


「おはよ、朝からどーかした?」

『いや、そろそろ柚真出てくる頃かと思って。』

「なにそれ、待ってたの?」


今まで学校に行く途中に出会うことはあっても、玄関で待っていたことなんて

用事がない限りなかったのに。
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