二度目の初恋
「怜奈ちゃん、これって...」

「あぁ、これはお遊戯会の時の写真だね。アタシたちのクラスは皆でシンデレラをやったの。ゆいぼんは自分から魔女やりたいって言ったんだよ」

「そうだったんだ...」

「で、これがアタシ。一応シンデレラ。で、王子は泰翔ね。アイツ目立ちたがりな上に女子から絶大な人気があって先生からも大抜擢されたんだよね」

「ふふふ。2人すごく似合ってる。本当のシンデレラと王子様みたい」

「やだぁ、ゆいぼん。冗談は止して下さいな」


そんなこと言われたらやっぱり嬉しいよ。

ゆいぼんには敵わないし、アタシの願いも叶わないと思うけど...それでも嬉しいものは素直に嬉しい。

ダークチョコみたいにふわっと香って少し甘くて後味がほろ苦い。

そんな気持ちになる。


「次は小学校だね。わたし、5、6年生の時はいなかったけど卒業式の皆の顔見たいから最後まで見るね」

「うわっ、恥ずかしい」


ゆいぼんは行事ごとに撮られた写真をじっくり見てはくすっと笑ったり、時にアタシに説明を求めてきたりした。

1年生の入学式、芋掘り遠足、発表会のおむすびころりん。

2年生の牧場への遠足、工場見学。

3年生のプラネタリウム見学、縄跳び大会。

4年生の桜を描く会、水泳記録会、合唱コンクール。

毎年やる行事もそうでない行事もゆいぼんがいればアタシは楽しかった。

ゆいぼんがいてアタシと一緒に笑ってくれればそれが1番の幸せだった。

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